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工場紹介
2016/04/07

オフ輪工場の素顔12(オフ輪用のインキ パート3)

メディア

印刷インキのタイプ

オフ輪のインキは、通年同じものを使うわけではなく、季節による気温や湿度の変化などの外部環境の変動、用紙の種類によるインキの転移のしやすさなどを考慮して、外観上は区別はつきませんが、いくつかのタイプのインキを使い分けております。タイプの呼び方はインキメーカー様により異なるようですが、通常タイプに対して硬めのインキと柔らかめのインキを使う場合が出てまいります。夏場で気温が高くインキの保管スペースや印刷現場も暑くなる場合は硬めのインキを使用します。逆に冬場など気温が低くインキの保管スペースや印刷現場も寒くなる場合や、あるいは更紙系など比較的表面が凸凹していて転写の悪そうな用紙の場合は柔らかめのインキを使用します。

特色インキの問題点

基本的に色の再現は4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の掛け合わせで再現しますが、1色や2色で印刷する場合や、コーポレートカラーなど特定の色をどうしても再現する必要がある場合などは特色インキを使用します。通常は、インキメーカー様に色をDICやパントーンのカラーチップ番号なので指定して作成していただきます。ただし印刷を行う上で特色インキの使用はいくつかの問題があります。

まず特色インキのコストは通常のプロセスカラーインキの数倍はします。また使用の際に印刷機のインキツボに入っているプロセスカラーのインキをまず除去して、特色インキに入れ替えて印刷し、印刷後に今度はツボに残った特色インキを除去してプロセスインキに戻すという作業があります。印刷ユニットのローラー数十本も都度溶剤で洗浄する必要があるので、大変な手間暇と、インキや溶剤の廃棄ロスが発生します。特色インキは5キロ缶や1キロ缶で搬入されるので、プロセスインキのように配管で供給するわけにはいかず、印刷作業中はオペレーターが都度インキ缶から供給する必要があります。品質面で注意が必要なのは、お客様によっては特色の指定をカラーチップ番号ではなく、どこかで印刷した見本でされ「これに合わせてくれ」とご要望される場合がありますが、全く同じインキを使用したとしても用紙等の条件により発色が変わってきますので、印刷物だけから元の色を再現するのは非常に困難な作業になります。