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工場紹介
2016/04/14

オフ輪工場の素顔13(オフ輪用のインキ パート4)

メディア

インキに関連するトラブル

オフ輪印刷において、インキそのものの不良ではないのですがインキに関連するトラブルをいくつかご紹介します。

インキ飛び

印刷中、インキの付いたローラーが高速回転しているのでインキが霧状に飛ぶ現象(ミスチング)が発生します。まれにインキのかたまりが飛んだり、堆積したインキが落下して用紙に付着する場合があり、インキ汚れとなります。ほとんどの場合は検査装置が反応して除去しますが、まれにごく小さな汚れが検査装置に反応しなかったり、あるいはオペレーターの作業ミス(抜き取りもれ)で不良品となる場合があります。

インキ余り

インキはインキツボからローラーに一定量供給され続けますが、絵柄が少なくインキの使用量が少なすぎる場合、インキの消費と供給のバランスが取れず、消費しきれないインキがローラー上に堆積して、過剰に用紙に転移して汚れとなる場合があります。これも通常は検査装置が反応して除去しますが、汚れのつき方や色(黄色は検査装置が反応しにくい)により、まれに不良品となる場合があります。

ブロッキング

オフ輪印刷の場合、インキはドライヤーで強制乾燥されますが、絵柄が異常に多い場合など1か所にインキが多重に載っていて、乾燥しきれない場合があります。そうすると表面は乾燥していても内部しきれていないので、印刷後用紙が積みあがった状態で荷重がかかると、反対面の用紙に転移されたりしてトラブルとなります。乾燥温度を上げればいいのですが、あまり乾燥温度を上げると別のトラブル(ブリュスタや背割れなど)を発生させる可能性が高くなるので、微妙なバランスで温度を調整する必要があります。

トラブルの予防

以上のようなトラブルは、インキと水のバランスが悪く(水に関しては機会を改めて・・・)、水上がり状態になると発生しやすくなります。当社の工場では低温乾燥印刷を導入して、水を徹底的に絞って印刷すること、メンテナンスでローラーの清掃を定期的に行うこと、ツボキーのセッティングを厳密に行うことなどの予防活動で、こうしたトラブルの頻度を従来より大幅に減らすことができるようになりました。