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工場紹介
2016/09/08

オフ輪工場の素顔20(輪転の折機)

メディア

折機にもズレはでます

みなさん折り紙をされたことはあると思いますが、きれいに折るのはなかなか難しいのではないでしょうか。製本会社にある折機にしろ、輪転機についている折機にしろ、この折作業をきわめて高速にかつ高精度に行っています。それでも紙という不安定な材料を高速で折るために、輪転機に付いている折機の場合で、プラスマイナス0.数ミリの誤差が出る可能性があります。(「数ミリ」ではなく「0.数ミリ」です)これは機械の精度上どうしても避けられない誤差です。この誤差を大きくしないために印刷会社は折機についている各種の消耗部品を定期的に交換する必要があります。

ちなみに先ほど「輪転機についている折機」と申しましたが、おまけでついているわけではなく、オプションとして購入するものであり、タイプにより異なりますが、折機の部分のみで1億円くらいするとお考えいただいてよろしいかと思います。また消耗部品も、場所により数十万円から数百万円の単位でかかります。それだけシビアな要求に応える設備なのです。

デザイン時と製造時は面付けが異なります

頁物をデザインするときには見開き単位でデザインする場合が多いと思いますが、これを印刷して製本する場合は、折丁の都合で見開きページがバラバラに分かれて印刷されます。これが折機にかかって、さらに丁合いされて初めて見開き同士が合わさることがままあります。デザインのさじ加減によっては、極めてシビアに折合わせをしなければいけない場合があり、これが複数ページにまたがると用紙の厚さなどの影響で見開き合わせが両立しない場合もでることがあります。(片方を合わせると別のページが合わない等)

印刷会社や製本会社は、いい製品を作るべく、こうした場合でもいろいろ調整しながら作業を行いますが、用紙が極端に厚い場合や逆に薄くて腰がない場合、折仕様なのにより精度が出にくい場合もあり、こういう場合は良品を出すため多くの損紙が発生することになります。