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工場紹介
2016/05/23

オフ輪工場の素顔15(オフ輪用のCTP パート2)

メディア

現像版と現像レス版

 当社ではCTPに関して現像版と現像レス版の両方を使用しています。現像レス版は、読んで字のごとく現像機を通さないので現像機が要らずそのスペースが不要、現像液も当然使用しないので現像液の管理も廃液の処分も要らない、網点の再現性が高いなど良いことずくめのようですが、現像版より水幅が狭い、耐刷力が低く長いロットに向かない、などの問題もあります。特に水幅が狭く、印刷機の設定がシビア、という面で嫌われる傾向が強いようで、現像版に比較するとまだ普及の度合いは低いようです。実際、以前業界紙で行っていたアンケートでも現像レス版を積極的に導入したい、という意見は少なかったと記憶しております。もちろんメーカーを問わず、こうした傾向は把握されているので、今後更に性能の向上した版が開発され出てくるであろうことは確実でしょう。

弊社では、ある程度のロット(おおよそ10万通し)以上の場合や、版への影響の良くない用紙(上質紙や更紙など)の場合は現像版を使用し、それ以外の場合は現像レス版を使用するようにしています。

低温乾燥印刷との関連

当社で行っている低温乾燥印刷は、この現像レス版と密接な関係があります。現像レス版の水幅の狭さに対応するために印刷機のセッティングをシビアに行う事が必要になります。そのためにメーカー様に指導していただき、水幅の狭さに対応した結果、水が絞れ、インキの乾燥が容易になり、乾燥温度を下げることができるようになった、という経緯があります。この辺りはまた改めてご説明したいと思います。

同じことは現像版でも実行可能です。ただし現像版は現像レス版よりも水幅が広いので、そこまでシビアにセッティングしなくても印刷できてしまうという、本来は性能的に長所のはずの部分が、印刷機のセッティングを厳密に進めるという部分では逆にマイナスに働いてしまうため、当社の場合は現像レス版で進めた次第です。