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工場紹介
2016/05/26

オフ輪工場の素顔16(印刷ユニット)

メディア

印刷機の中枢

印刷ユニットは外観上は4台のユニットがぬっと立っているだけで、給紙部や折機やバンドラーのように動きのある部分ではないので、見ていても面白いわけではありませんが、実は印刷機の中枢にあたる重要な部分です。インキツボから各種インキローラーを経てインキが供給され、水舟から各種水送りローラーを経て湿し水が供給され版胴、ブラン胴を経て用紙に画線部が形成されます。各ローラーはユニット内で高速回転を長時間強いられますから、潤滑のためのオイル、冷却のための冷却水が循環し、さらに制御のための電気配線などが入り組み、非常に繊細で複雑な構造になっています。

輪転機は1ユニットで表裏とも印刷

輪転機は基本的に表4色、裏4色の8色を印刷しますがユニットは4台です。これは多くの枚葉器と異なり1台のユニットで表裏両面の2色分の印刷をするためです。枚葉機の場合、1ユニットで片面1色を印刷しますから、タンデム機でもない限り8色であれば8ユニット、10色であれば10ユニットが並びます。また枚葉機の場合、ブラン胴は用紙を挟んで圧胴と接しますが、輪転機はブラン胴同士が用紙を挟んで接します。これをB-Bタイプと称します。

印刷機はメンテナンスが命

印刷ユニットは(他の箇所も同様ではありますが)、繊細で複雑な構造に対して、高速回転で印刷し、インキやオイル、湿し水や冷却水など機械を汚したり錆びさせたりする材料が循環しますから、こまめなメンテナンスが本来は欠かせません。商業用印刷機、特にオフ輪機は、車でたとえるとすればF1カーのようなものだと思います。F1カーに「ノーメンテナンス」が通用しないのと同様に、印刷機にも適切なメンテナンスは欠かせません。