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工場紹介
2016/03/28

オフ輪工場の素顔10(オフ輪用のインキ)

メディア

オフ輪用インキ

 オフ輪印刷用のインキも枚葉印刷用のインキも、乾燥方法の違いはあってもインキが用紙に印刷されるまでの仕組みにあまり違いはないので外観上の違いはとくにはありません。(近年増えているハイブリッドUVはオフ輪でも枚葉でも乾燥方式は同じですが、まだオフ輪では少数なのでここでは取り上げません)写真はオフ輪用のインキをへらで持ち上げたものです。見ていただいて分かるように非常に粘度の高い材料です。チョコフォンデュのように見えないこともありませんね。(食べられませんが)

オフ輪用インキの特徴

見た目は枚葉用インキとよく似たオフ輪用インキとですが、乾燥方式が異なるので混ぜて使うわけにはいきません。枚葉印刷インキの場合は基本的に「酸化重合」により乾燥します。仕組みはともかく、印刷後数時間から半日保管して乾燥を待ちます。対してオフ輪印刷で使用するインキは「ヒートセットインキ」といい、「加熱によってインキ中の溶剤が蒸発し、乾燥するインキ」(「印刷用語集」より)です。そのため、オフ輪印刷機には枚葉印刷機にはないドライヤー(乾燥機)という設備が付いています。印刷ユニットを通ってインキがついた用紙は、このドライヤーユニットの中を通り、百数十度の熱風をあてられ強制的にインキを乾燥させます。ドライヤーユニットを抜けると、今度はチラーロールで冷やされ、そのあとに折加工されたりシートカットされたりします。

低温乾燥印刷とは

当社で行っている低温乾燥印刷は、枚葉印刷の「速乾印刷」をオフ輪印刷に応用したものです。速乾印刷は酸化重合をごく短時間で終わらせインキを速乾させる技術ですが、オフ輪印刷の場合、熱風で強制乾燥させているので、そもそも乾燥はされているわけです。ただしより乾燥しやすい条件で印刷できるので、通常よりも数十度低い温風でもインキが乾燥し、用紙への負担が少なくなる、ガスの使用量が削減できるなど、品質面、環境面で様々な効果があります。